中央道・談合坂スマートICの開通案件03 ~相続人に会いに行く!~
談合坂エピソード③
6.「まさか、詐欺じゃないでしょうね?」説明するのに苦労
方針も決まったところでいよいよ相続人たちに、上野原市から「ご協力のお願い」という通知を出した。今回の事業の説明と、相続登記及び補償金を受け取っていただくことのご協力をお願いする内容である。しかし予想もしないたくさんの問い合わせをいただくことになる。
昨今の巧妙化する詐欺事件の増加によって、多くのかたがすっかり用心深くなってしまい、「公を名乗っていても怪しい。真実かどうかわからないから協力をしたくない。」と言われてしまったのだ。確かに、ある日突然通知が来て、「山梨県に土地がある」と言われ、あなたがその相続人なのだから登記してくれと言われたら、無理のないことだとは思うが・・・お問い合わせのあったおひとりおひとりに、懇切丁寧にご説明をする。土日も夜間もお問い合わせを受けることがあった。
ただ、ご理解をいただけたかたからは、今度は、「私のルーツを知りたいし、非常に貴重なものだから、作った家系図を譲ってくれ。」と言われることもしばしば。個人情報の観点から丁重にお断りをするが、確かに、ほしいという気持ちもよくわかる。
また、「いとこの●●さん、懐かしいなぁ、元気でやってるかな。思い出したので連絡を取りたい。」とお願いされることも。でも、それもまた個人情報があるのでできない。この件をきっかけに親族同士連絡を取り合った方々が多々おられたようで、昔を思い出し、交流が復活したご家族もおられた。それはよかったのではないかと思っている。
7.相続人に会いに行く!
さすが、真面目な日本人。反応はいろいろあるが、お手紙をお送りすると大抵ご返信はいただける。しかしこれだけ母数があるとお返事のないかたも、たくさんいる。相続手続きの時、一番困ってしまうのがお返事のないかたなのだ。加えて、司法書士は、登記名義人となるかたに本人確認・意思確認をする義務もある。
私も相続人に会いに、上野原市のかたといろいろな場所へ行った。お宅を訪問すると、様々な事情などわかり、複雑な気持ちになることもある。
訪問したことで印象深かったのは、地方でタクシーの運転手さんをしている相続人がおり、夜勤等不規則で多忙とのことのみをうかがっていたため、出勤の時間を狙って早朝にお宅の前で待ち伏せをしたこと。一回目で無事にやり取りすることができたからよかったけれど、もし空振りだったら会えるまで毎日通うことに・・・。
それから、我々がチャイムを鳴らしても出てこなかったので不在なのかと帰ろうとしたけれど、その時ちょうど食材を配達するトラックがやってきて、ドライバーがチャイムを鳴らしたところ相続人が出てきたことも。もちろんそこで目的を達成することができた。
精神病院に入院中のかたに面会に行き、診断書もいただき、医師立会いのもとご署名ご捺印いただいたことも。
何度郵便でお便りしても一向にご返信がなかった相続人が、実は刑務所に収監中で、出てきてからご協力いただけたこともあった。
司法書士は郵送による本人確認という方法も認められているため、まだよかったが、上野原市のかたは補償金の授受についてもやり取りが必要だったので、日本全国へ出張をされていた。本当に手間のかかる事業だったと思う。心からお疲れ様ですと言いたい。(続く)