その他企業法務
解散・清算
株式会社や合同会社などの法人を終了させる際には、「解散」と「清算」の手続が必要です。
会社を「解散」すると、その時点で営業活動を終了し、債権の回収や債務の弁済、残余財産の分配などを行う「清算手続」に入ります。
この一連の流れを適切に進めるためには、株主総会(または社員総会)の決議、登記申請、官報公告などの複数の段階的な手続が必要です。
解散登記
会社を解散するには、原則として株主総会(または社員総会)の特別決議が必要です。
ただし、定款に存続期間や解散事由が定められている場合は、その到来によって自動的に解散します。
解散が決議された場合は、決議の日から2週間以内に「解散登記」を行わなければなりません。
登記が完了すると、会社は営業活動を終了し、清算手続に移行します。
清算人の選任
解散と同時に、会社の代表取締役の権限は消滅し、代わりに清算人が会社の代表となります。
清算人には通常、解散前の代表取締役が就任しますが、株主総会(または社員総会)で別の者を選任することも可能です。
清算人を選任した場合は、選任の日から2週間以内に「清算人就任登記」を行う必要があります。
清算の流れ
清算手続では、以下のような段階を経て会社を終了させます。
1.債権の取立て・債務の弁済
会社の資産を整理し、未収金を回収、未払債務を全て弁済します。
2.残余財産の確定・分配
弁済後に残った財産を株主に分配します。
債権者保護のため、官報公告および個別催告が必要です。
3.清算結了登記
すべての清算事務が終了したら、株主総会(または社員総会)で清算報告を承認し、 「清算結了登記」を申請します。これにより会社は完全に消滅します。
解散を選択する主な理由
- 事業の継続が困難になった場合
- 代表者の高齢や後継者不在による廃業
- 休眠状態の会社を整理したい場合
- 合併や事業譲渡などに伴う法人整理
注意点
- 登記を怠ると、実際に事業を行っていない場合でも会社は存続し続けることになります。
- 長期間登記を放置すると、法務局から「みなし解散」扱いを受けることがあります。
- 清算中の会社は、原則として新たな営業活動を行うことはできません。
